2026.01.27
「エキマチData Lab. オープンラボイベント」を開催しました!
2025年12月13日(土)。街がクリスマス色に華やぎ始めた土曜日、TAKANAWA GATEWAY CITYの LiSH内で「エキマチData Lab. オープンラボイベント」が開催されました。高輪ゲートウェイ駅周辺地区スマートシティコンソーシアム(以降、コンソーシアム)が主催する、データ活用に関する取組みやアイデアを議論する市民参画型イベントです。
記念すべき第1回目となる今回は、2部構成で実施しました。
第1部では、コンソーシアムが取り組む「データを活用したスマートシティ」の成果を発表し、参加者との議論を通じて取組み内容をさらに深める「取組発表会」を行いました。
第2部では、11月15日から進めてきた、データ分析を活用し、街の未来につながるアイデアを提案するアイデアソンの「最終発表会」を開催しました。

当日は、コンソーシアムのアドバイザリーボード・エキマチData Lab.スーパーバイザーを務める東京大学先端科学技術研究センター特任准教授の吉村有司氏をはじめ、一般社団法人UDCイニシアチブパートナーの尾﨑信氏、東日本旅客鉄道株式会社マーケティング本部まちづく部門品川ユニットチーフの中島悠輝氏、KDDI株式会社ビジネスイノベーション推進2部副部長の中嶋優氏を審査員としてお招きしました。
その他、コンソーシアム会員企業、アイデアソン参加者、一般参加者など、総勢約30名が集まりました。

■第1部 取組発表会
コンソーシアムは、ひとを中心に据え、街と鉄道のWin-Winを実現し、100年先の心豊かなくらしにつながる価値を創出することを目標に、スマートシティ実行計画(高輪ゲートウェイ駅周辺地区 スマートシティ実行計画 [2024-2026年度])を策定し、スマートシティサービスの実装に取り組んでいます。
推進中の取組みをさらに発展させる、または新たなプロジェクトを創出することを目的に、コンソーシアムでは「エキマチData Lab.」を立ち上げ、定期的にゼミを開催し、企業や大学、有識者を集めたディスカッションを行っています。
今回のオープンラボイベントは、コンソーシアム外の方も交えたディスカッションの場として企画し、以下3つの取組み状況と成果について発表がありました。
①モビリティ運行計画立案に資する人流分析手法の検討
②ステイアブルな街を創るスマート屋台/市民と企業の共創プロジェクト
③スマートエネルギーマネジメントシステム構築に向けたデータ活用方法の検討
【発表資料PDF】
【取組み発表会当日の様子】
モビリティ運行計画立案に資する人流分析手法の検討については、東日本旅客鉄道株式会社が事業主体者として実施している取組みです。
来街者の滞在時間の向上や回遊範囲の拡大、ひいては地域の経済活動の活性化や来街者の満足度の向上を目指し、「街の人流をより正確かつきめ細やかに把握・分析・推計し、その結果を街のモビリティ事業者に共有する」サービスの検討を、国交省スマートシティ実装化支援事業を活用して推進しています。
取組み発表会当日は、東日本旅客鉄道株式会社から委託を受けている株式会社日立コンサルティングの青木氏・瀬口氏より、取組みの進捗や成果について発表がありました。

ステイアブルな街を創るスマート屋台/市民と企業の共創プロジェクトについては、東日本旅客鉄道株式会社と一般社団法人高輪ゲートウェイエリアマネジメントが事業主体者として実施している取組みです。
データ駆動型の空間マネジメントとサービス導入によって、他にはない体験価値を提供し、街での満足度を高めることを目指し、「人流センサーと環境センサーを搭載した可動式センサーキット、通称スマート屋台を用いて、街区内の詳細な人流や環境的快適性を分析する」取組みを推進しています。
取組み発表会当日は、東日本旅客鉄道株式会社から委託を受けている一般社団法人UDC イニシアチブの尾﨑氏より、取組みの進捗や成果について発表がありました。

スマートエネルギーマネジメントシステム構築に向けたデータ活用方法の検討については、株式会社えきまちエナジークリエイトが事業主体者として実施している取組みです。
継続的に低炭素化を維持・牽引していく仕組みが実装された次世代型の環境都市をつくることを目指し、「人流データ等の活用により熱需要予測を高度化し、冷温熱製造の最適化と蓄熱ロスの減少を実現するスマートエネルギーマネジメントシステム」の構築を、国交省スマートシティ実装化支援事業を活用して推進しています。
取組み発表会当日は、株式会社えきまちエナジークリエイトの髙澤氏より、取組みの進捗や成果について発表がありました。

取組み発表会の最後に、エキマチData Lab.スーパーバイザーの吉村氏より次の総評が述べられました。
「本日紹介された取組みは、GPSデータ・センサーデータ・エネルギーデータなど、様々なデータを活用しており、どれも興味深いものでした。このようなデータ活用は、スマートシティサービスの実装に向けて重要です。次のステップとして、各取組みが縦割りにならず、互いに連携していく必要があると考えています。魅力的なサービスを検討・構築していくことを期待しています。」

■第2部 最終発表会
コンソーシアムでは、街に関するデータを集積する基盤として、都市OSの開発・運用に向けた検討を進めています。TAKANAWA GATEWAY CITYの全棟開業を控え、多くのデータが蓄積されることが見込まれる中、これらのデータをどのように活用し、サービスへとつなげていくかが重要な課題となっています。
こうした背景を踏まえ、エキマチData Lab.では、一般参加者を広く募り、データ活用方法やサービスアイデアを検討する「アイデアソンイベント」を企画しました。今回のオープンラボイベント第2部では、11月15日(土)から進めてきたアイデアソンの最終発表会を実施し、参加した全5チームに検討成果を発表いただきました。
アイデアソンでは、最優秀賞のほか、協賛企業によるJR東日本賞、KDDI賞を設け、最終発表会でのプレゼンテーションを経て各賞を決定しました。
【最終発表会当日の様子】
発表の1番手は、チーム名「(株)高田総研」。
人流データやエネルギーデータを組み合わせることで、街全体のエネルギー消費量を分析・予測し、アプリなどを介して人と環境にやさしい活動を促す、一連のサービスアイデアを提案いただきました。

発表の2番手は、チーム名「データ駆動型サスティナビリティを高輪で実現する」。
高輪ゲートウェイ駅周辺地区全体でデータを活用できるようにデータの仕様を規格化し、街全体で人流データや購買データなどを活用することで、街全体の商品発注量の最適化を行い、フードロスの削減などを実現する一連のサービスアイデアを提案いただきました。

発表3番手は、チーム名「エキマチstudents」。
高輪ゲートウェイ駅周辺地区には多くの大学機関があることに着目し、若年層の人流動向を分析・モニタリングすることで、企業が実施するスマートシティサービスや実証実験と学生をマッチングさせる、一連のサービスアイデアを提案いただきました。

発表4番手は、チーム名「にねんめ」。
人流データや改札入退場データを活用することで通勤・退勤のピーク時間を分析・予測し、その属性に応じた街の施設やサービスのレコメンドを実施することで、オフィスワーカーの駅利用ピークの分散実現を実現する、一連のサービスアイデアを提案いただきました。

発表5番手は、チーム名「LGX」。
TAKANAWA GATEWAY CITYアプリにAI機能を組込み、人流データや個人の趣味嗜好性を学習させた街のコンシェルジュ機能の構築とそれを活用した街の滞在体験を向上させる、一連のサービスアイデアを提案いただきました。

【アイデアソン審査結果】
各チームからの発表と審査員によるディスカッションを経て、最優秀賞、KDDI賞、JR東日本賞の審査結果が発表されました。
JR東日本賞に輝いたのは、街全体のエネルギーマネジメントに関するアイデアを提案したチーム「(株)高田総研」。
審査員の中島氏は次のように講評しました。
「TAKANAWA GATEWAY CITYでは、SDGsをはじめとした様々な社会課題の解決に寄与できるよう、サステナビリティや環境面に配慮した貢献施策を推進しており、本アイデアのコンセプトに非常に共感しました。また、コンソーシアムでも株式会社えきまちエナジークリエイトが主体となってスマートエネルギーマネジメントシステムの検討を進めており、今後の施策検討につながるアイデアであったと考えます。」

KDDI賞に輝いたのは、オフィスワーカーの駅利用ピークの分散実現に向けたアイデアを提案したチーム「にねんめ」。
審査員の中嶋氏は次のように講評しました。
「実際にTAKANAWA GATEWAY CITYにオフィス入居している者として、通勤者に焦点を当てた提案内容は非常に共感できるものでした。オフピークレコメンドサービスを実現していくためには、街全体でサービスを整えていく必要があり、どのような枠組みで実装するかが課題の一つであると認識していますが、このチームは企業の福利厚生の一環としてこのサービスを実装できるのではないか、という新たな切り口での提案をしており、将来的に実現できそうなワクワクする提案でした。」

記念すべき第1回アイデアソンイベントの最優秀賞に輝いたのは、企業と学生をマッチングし、街のサービスや実証実験を活発化させるアイデアを提案したチーム「エキマチstudents」。
審査委員長の吉村氏は次のように講評しました。
「学生ならではの観点での検討・提案がなされ、非常に新規性のあるアイデアでした。特に高輪ゲートウェイ駅周辺の通学路の分析や学生の空きコマなど、我々事業者にはない視点での切り口があり、非常に興味深いものでした。コンソーシアムとしても、今後スマートシティの取組みを深度化していくためには、大学との連携も視野に入れていく必要があると考えており、本提案はそのための新たなアイデアになり得ると感じました。」

最後に、審査員の尾崎氏から総評として次のコメントがありました。
「エキマチData Lab.初の取組みとしてアイデアソンを開催し、多くの方からデータ活用に関するアイデアを寄せていただきました。高輪ゲートウェイ駅周辺地区では、今後もデータを活用した取組みを推進していきたいと考えており、本日皆様から発表いただいたアイデアは、今後の取組み深度化に向けた種になると考えています。本日発表いただいた皆さまにはお礼を申し上げます。」
その後、オープンラボイベントに参加した全員で記念撮影を行い、イベントは盛況のうちに終了しました。

<主催>
高輪ゲートウェイ駅周辺地区 スマートシティコンソーシアム
<協賛>
東日本旅客鉄道株式会社、KDDI株式会社
<協力>
東海大学、明治学院大学、株式会社えきまちエナジークリエイト、一般社団法人UDCイニシアチブ、株式会社日立コンサルティング
<取材・編集・文>
一般社団法人 高輪ゲートウェイエリアマネジメント